遠方に住む親に、相続や不動産の手続きをしてもらうことがあり住民票を送る機会がありました。
その際、書類だから「クリックポスト」で送付しようと思いましたが、それは郵便法違反に当たるようです。書類と一口に言っても、様々な種類があり、考えや思いを表した手紙も「信書」に該当します。
2022年現在、信書を送る手段として法的に認められているのは下記のみです。
- 日本郵便・・・定型郵便(84円〜)、定形外郵便(120円〜)、レターパック(370円〜)、EMS(90円〜)
- 佐川急便・・・飛脚特定信書便(1045円〜)
下記の日本郵便のサービスでは信書を送付することはできません。
離れて住んでいる子供に対して食料品などを宅急便で送る際、手紙を同封するパターンが多くあると思いますが、これは郵便法に抵触します。荷物の中に手紙がある事実を宅配業者が知った場合は配達を断られます。法律に違反した行為になるからです。
例外として、荷物の中に入っている納品書や添え状・送り状は、信書に該当しますが、貨物に添えて送付することができます。(郵便法第4条第3項)
以下に、総務省からの信書のガイドラインを引用します。
- 「信書」とは、
- 「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と郵便法及び信書便法に規定されています。
- 「特定の受取人」とは、
- 差出人がその意思又は事実の通知を受ける者として特に定めた者です。
- 「意思を表示し、又は事実を通知する」とは、
- 差出人の考えや思いを表現し、又は現実に起こりもしくは存在する事柄等の事実を伝えることです。
- 「文書」とは、
- 文字、記号、符号等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物のことです(電磁的記録物を送付しても信書の送達には該当しません。)。
総務省公式HPより引用
信書に該当する文書
- 書状
- 請求書の類
【類例】納品書、領収書、見積書、願書、申込書、申請書、申告書、依頼書、契約書、照会書、回答書、承諾書、◇レセプト(診療報酬明細書等)、◇推薦書、◇注文書、◇年金に関する通知書・申告書、◇確定申告書、◇給与支払報告書 - 会議招集通知の類
【類例】 結婚式等の招待状、業務を報告する文書 - 許可書の類
【類例】 免許証、認定書、表彰状
※カード形状の資格の認定書などを含みます。 - 証明書の類
【類例】印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本、住民票の写し ◇健康保険証、◇登記簿謄本、◇車検証、◇履歴書、◇給与支払明細書、◇産業廃棄物管理票、◇保険証券、◇振込証明書、◇輸出証明書、◇健康診断結果通知書・消防設備点検表・調査報告書・検査成績票・商品の品質証明書その他の点検・調査・検査などの結果を通知する文書 - ダイレクトメール
- 文書自体に受取人が記載されている文書
- 商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書
信書に該当しない文書
- 書籍の類
【類例】新聞、雑誌、会報、会誌、手帳、カレンダー、ポスター、◇講習会配布資料、◇作文、◇研究論文、◇卒業論文、◇裁判記録、◇図面、◇設計図書 - カタログ
- 小切手の類
【類例】 手形、株券、◇為替証書 - プリペイドカードの類
【類例】 商品券、図書券、◇プリントアウトした電子チケット - 乗車券の類
【類例】 航空券、定期券、入場券 - クレジットカードの類
【類例】 キャッシュカード、ローンカード - 会員カードの類
【類例】 入会証、ポイントカード、マイレージカード - ダイレクトメール
- 専ら街頭における配布や新聞折り込みを前提として作成されるチラシのようなもの
- 専ら店頭における配布を前提として作成されるパンフレットやリーフレットのようなもの
- その他
◇説明書の類(市販の食品・医薬品・家庭用又は事業用の機器・ソフトウェアなどの取扱説明書・解説書・仕様書、定款、約款、目論見書)、◇求人票、◇配送伝票、◇名刺、◇パスポート、◇振込用紙、◇出勤簿、◇ナンバープレート
信書の送り方まとめ
いかがでしたでしょうか?
信書(手紙や書類など)は決められた発送方法でないと、法律に違反するなんて知らなかったですよね?
私もクリックポストで送付したら法律に違反するところでした。
皆さんも、くれぐれも気をつけてください。
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