子供の発達が不安で気になり色々調べる親御さんは多いと思いますが、その時に必ず目にするのは「発達障害」という言葉だと思います。発達障害は生まれ持った脳のタイプの違いです。特に問題行動がない子供でも、生まれ持った特性で本人に困難があれば「発達障害」です。
我が子もなんとなく当てはまる症状があり、色々調べて見ましたが、「発達障害」の症状や特徴が全く当てはまらないお子さんはいらっしゃらないのではないでしょうか?
そこで、市の発達センターへ相談に行って来ました。
結果として、市の発達センターに相談して大正解でした!
ママ友に民間の発達相談の方が早い、とアドバイスをもらいましたが、民間の発達相談だと、市と直接連携を取っているわけではないので、相談後の対策について、シームレスな支援をして頂けません。市の教育委員会と繋がっている発達センターの方が、的確で迅速な支援に繋がる気がします。
「お住いの市区町村」 プラス 「発達」 で検索すると、必ず支援センターの連絡先が出て来ます。不安を感じたら、まずは民間よりもお住いの市区町村の発達支援センターに連絡することをお勧めします。私の担当カウンセラーの方はとても丁寧で悩みに的確なアドバイスをしてくれる方でした。ちょっとした相談にも乗ってくれます。
この記事が、お子さんの発達に不安を感じてる親御さんの参考になれば幸いです。
発達支援センターに相談してみた結果
6歳年長になる息子が、6月を境に登園拒否をするようになりました。フルタイムで働いているため、子供が登園拒否しても家で預かることは困難だったため、無理やり登園を続けました。
登園すると「先生が怖い」「ママと一緒にいたい」「プールが嫌」など、様々な理由を言い、泣き叫んで、先生に無理やり引き剥がしてもらわないと私から離れない状況でした。
長男の場合は、生後半年から同じ園でずっとお世話になっており、年中までは登園拒否することもなく、毎日楽しく登園していました。年長になって初めての授業参観で突然泣き出し「ママと一緒にいたいから帰りたい」と何度も訴えてきました。今まで保育園で泣く姿を見たことが無かったので、その光景は衝撃的でした。
なんとか担任の先生にもなだめてもらい、午後は仕事へ行きましたが、その時は一時的な感情で泣いてしまったのだろう、と思っていました。
翌日は土日だったので、いつも通りお出かけしたり家で過ごしていましたが、翌週から毎朝登園へ行くのを渋るようになり、迎えに行く時間も15時にして欲しいと泣き叫ぶようになりました。
相談をする前に、まずは状況を一覧にまとめる
発達センターに相談に行く前に、まずは登園拒否をした頃から毎日の子供の様子を簡単にExcelで一覧表にまとめていました。そうすると、臨床心理士さんからのヒアリングの際、時系列でお話しすることができるので、相談が早く進みます。また、客観的に書き出すことで、心の整理もできます。
登園拒否をしているときに、子供が「どんな言葉を発したのか」「暴れたのか」など、なるべく細かく記載しました。また、園での様子も先生になるべく聞いて、その日の出来事などをまとめました。
一覧表で振り返ると、給食を食べることを拒否したり、昼頃になると泣きながら「ママに電話して」と先生に言ったり、日によって様々な要求をしており、その都度、場当たり的に先生になだめてもらっているのが分かりました。
発達センター相談の内容とその後の流れ
相談の当日は、子供を連れて行くのではなく親だけで行きました。子供がいるとちゃんとヒアリングができないのではないか、と配慮していただいたからだと思います。
まずは今までの子供の様子を記入して作成した表をもとに、長男がいつ頃から、どんな状況で、どんな様子だったかなどを相談員の方に事細かに説明しました。担当者の方はベテランの方だったようで、子供の様子を話すだけで、こんなお子さんですね、と言い当ててくれました。
相談した結果、長男の場合は、発達検査をして医療行為をするのではなく、環境や周りの大人の配慮さえあれば半年を待たずに改善するという見立てを頂きました。
発達センター相談後の流れとしては
- 初回カウンセリング(親のみ)
- 長男のカウンセリング
- カウンセリングの結果を園の担任と共有。必要なら園を見学して指導の仕方を変えてもらうよう交渉してもらえる。
上記の流れで大丈夫、とのことでした。
長男は、登園拒否を発症してから2ヶ月ほど経過していたため、本人も「何で園に行くのが嫌なのか」という明確な理由を忘れてしまっているまま、嫌な感情だけ残ってしまい、園に行く度に感じる不安を表現するために、パニックになってしまう症状から抜け出せなくなっている可能性を示唆されました。
通常の年長さんであれば、「先生が大きい声で怒るから怖くて嫌だった」や「友達に叩かれて痛かった」など言葉で表現することで状況を改善してもらい、解決できるのですが、長男の場合はうまく言葉にできず、言葉にする前に泣き出してしまい、嫌な気持ちを伝えることができずにパニックになってしまうのではないか、ということでした。
そう言った場合は、本人が不安を感じないよう、周りの大人が配慮することが必要になります。
本人の感情を代弁して理解するために、「何が嫌だったのか?」と漠然と問いただすのではなく、
「先生が大きい声を出すのが嫌だったの?」など、具体的に聞いたり、「これとこれだったらどっちが嫌だった?」など選択制で質問をすることで、子供の感情を引き出して解決に導くことが必要です。
感情を理解してあげるだけでも、子供は安心し、パニックになることを防ぐことができますし、何度か不安な感情ができる状況を経験することで、どのようにすれば自分が安心するのか分かってきます。
市の発達検査と民間の発達検査の違い
子供の特性を理解する手助けとして、発達検査をすればいいのではないかと思い、色々調べました。市の発達検査と、民間の発達検査のメリットとデメリットを表にしました。
市の発達検査 | 民間の発達検査 | |
メリット |
教育委員会と繋がっているので、 |
発達検査は初回カウンセリングで必要だと判断された場合は、長期間待たずに対応してもらえる。 |
デメリット | 発達検査をしようとしても自治体によって2年以上待たないといけない。 | 行政と連携している訳ではないので、発達に問題があった場合、自分から各機関の窓口に連絡して対応してもらう必要がある。 |
発達障害の就学の壁
発達障害を持つお子さんで一番悩むのが
- 特別支援学級
- 通常学級
どちらがいいのか?ではないでしょうか。
就学判定がある地域もあるようですが、私の通っている地域の幼稚園や保育園などから発達障害の支援の情報を聞いたことはありません。受け身でいると何もしないまま小学校へ進学することになります。全て自分で調べて自分から申し込みをしないといけません。
特別支援教育の体制は地域差があり、これをすれば大丈夫!というような決まったやり方はありません。情報を集めることや手続きに関して調べましたので、ぜひ参考にしてみてください。
発達検査の予約と診断書の発行
小学校に支援を申し入れる上で欠かせないのが、発達検査の結果と診断書です。そのために必要な児童精神科や発達障害の病院はどこも大変混雑しています。初診の予約をしても半年以上待たされることは多いです。
診察までに半年、検査までに半年、で最悪1年以上かかるケースがありますので、早めに準備しておくことが重要です。私の管轄の地域では現在1年10ヶ月待ちだと言われました。
就学で一番困るの子供自身です。子供に適した環境を選ぶことが最優先です。
発達障害があるからと言って支援学級が必ず適しているということではありません。学校の支援体制やお子さんの状況によって様々です。
また、支援学級に入れたからと言って、学習のスピードが遅くなる訳でもありません。お子さんの能力に合わせて学習を進めてくれる支援学級もありますが、中には知的障害がある訳でもないのに簡単なプリントばかりさせられるケースもあります。
就学相談は早めにしておいたほうがいいと思います。学校や担任の先生の体制、知識や理解や力量によって支援の環境は大きく変化します。
難しい発達障害児の子育ててで一番大切なことは、できるだけ多くの頼れる行政や医療機関、人を見つけること。一人で抱え込まないことです。
お子さんの育つ環境は人それぞれで、誰もが定型外です。
発達障害は生まれつきの特性であり、その特性がなくなることはありません。成長に伴い、自分なりに工夫して折り合いをつけることで社会に適応していく場合も多くあります。
成長過程の子供には、できることを増やし、自信をつけさせ、心の成長を促すことが必要です。
我が子が「発達障害」という診断を受けると、親として不安になり、とてもすんなり受け止められないほどショックを受けますよね。
「発達障害なのか」と思い、病人として子供を扱うのではなく、「現状の問題をともに考えてくれるサポーターを見つける」と考えて行動した方が前向きに捉えることができると思います。
診断名に囚われず、子供の強みや弱みを理解できるようにするといいですよね。
発達障害は個性に近いもので、要は受け止め方次第です。「ユニークでスペシャルな個性」としてプラスに捉えるかは、周囲の人の見方によって変わっていきます。「個性」を治すことはできません。その子が生きやすいように支えることを重視すべきです。
2021年の調査によると特別な支援が必要な子供は16人に1人いるようなので、クラスで1〜2人はいる計算になります。
※2021年文部科学省のデータより
「発達障害」と診断された時、親にできることは子供が心身を安定して日常生活を遅れる環境をつくることです。そして子供が意欲や関心を向けられる対象を見つけられるよう見守ったり支えたりしていくことです。
持って生まれた「特性」で本人が今後の人生で困ってしまうことは数多く起こります。こども一人一人の気質や個性を見つめて寄り添った支援をしていくことが大事だと思いました。
コロナで増えた不登校
2022年6月に発達センターへ相談に行った際、コロナで学級閉鎖やリモート授業が増えた関係からか、引きこもりのような状態になってしまい、学校へ通えなくなってしまった子供が1.5倍に増えたと聞きました。
環境の変化に対応できないお子さんが増えているようです。
少しでもお子さんの発達に不安を覚えたら、まずはお住いの地域にある「発達センター」へ連絡するのが一番です。
学校へ行けなくなってしまったお子さんの居場所についても、段階に応じた施設を紹介してくれると思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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